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コラム

空き家整理で要注意!床の腐食リスクとプロが行う対策

長く人が住んでいない家屋の整理で、外から見ただけでは分かりにくいのが床の傷みです。床下の劣化は家財に隠れて見えないことが多く、搬出の途中で床が抜けると、その場で作業を止めて方法を組み直すことになります。作業日数や費用の見込みが変わることもあります。

この記事では、空き家の床が傷む原因と、あぐりが作業前に床の状態を確認している理由、床が傷んでいた場合の作業方法と費用負担の考え方を整理します。

なぜ空き家の床は腐食しやすいのか

床下の木材は、湿気を含んだ状態が長く続くと傷みやすくなります。人が住まなくなった家屋では、次のような条件が重なりやすくなります。

  • 湿気と通気不良 — 床下の通風孔がふさがれていたり、室内の換気が行われない状態が続くと、床下に湿気がこもります
  • 雨漏り・水漏れ — 屋根や壁からの雨水の侵入、配管からの水漏れが長期間放置されると、床の広い範囲に影響します
  • シロアリの被害 — 湿気の多い床下はシロアリが寄りつきやすく、食害を受けた床材は強度が落ちることがあります

これらは別々に起きるとは限らず、つながって進んでいくことがあります。屋根の破損が放置されて雨漏りが続き、床下に湿気がこもり、その環境がシロアリを招く、という順で進んでいた家屋があります。あぐりでは、天井と床下の両方が崩落した状態の家屋の整理も、これまでに何度か行っています。

床下の通風孔がふさがれる原因は、室内側だけではありません。庭の雑草が家屋の基礎まで届いて通風孔をふさいだり、雨どいに溜まった落ち葉が雨漏りのきっかけになることもあります。庭木や雑草が家屋に与える影響は、空き家の庭木・雑草を放置するとどうなる?家屋への影響と伐採費用の考え方で整理しています。

床が抜ける前に見られる変化と、傷みが進んだ状態

現場で見られる床の傷み方の目安

次に挙げるのは、あぐりが空き家整理の現場で実際に見てきた床の傷み方を、進み方の順に並べたものです。建築上の正式な診断基準ではなく、現場での目安として挙げています。

  • 初期に見られる変化 — 床にわずかな沈みが出ている
  • 傷みが進んだ状態 — 床にひび割れやへこみが見られる
  • さらに進んだ状態 — 床の沈みがはっきりと分かる
  • 床下が見えている状態 — 床板に隙間ができ、床下が見えている
  • 崩落した状態 — 家具の重さで床板が抜け、床下に落ちている

こうした変化が見られる場合、根太や大引きなど、床を支える部材が傷んでいる可能性があります。ただし、外から見える状態だけで床下がどうなっているかを確定することはできません。

ご自身で家屋に入られた際に、床のフワつきや沈み、ひび割れ、隙間に気づいた場合は、それ以上その部屋に立ち入らないでください。状態を確かめるために床を踏んで試したり、家具や荷物を動かしたり、床下をのぞき込んだりすることは避けてください。

見た目だけでは分からない傷みがある

ここまでは見て分かる状態ですが、床の傷みは見た目に表れないこともあります。

あぐりの現場で判断が難しいのは、腐食したあとに乾いてしまった床板です。表面に傷みの跡が見られず、周囲の床と区別がつかないことがあります。それでも、荷重がかかった際に抜けることがあります。

見た目に異常がないことは、その床が安全であることを意味しません。見た目だけでは傷みを判断できない場合があるため、あぐりでは作業前の確認に時間をかけています。

あぐりが作業前に床の状態を確認する方法

あぐりでは、見積りの段階から床の状態を確認しています。床が傷んでいる家屋では、搬出の方法そのものを変える必要があるためです。

目視による確認

家財がある程度整理されている場合は、床板の歪みや沈み込み、踏み込んだときの感触を確認します。あわせて、床を支える大引きや根太のおおよその位置、床下の通風孔がふさがれていないか、雨漏りの跡が残っていないかといった建物側の状態も見ています。

ただし、家財が大量に残っている状態では見える範囲が限られます。搬出を進めながら、その都度、床の状態を確認していくことになります。

目視を補う機材の使用

目視を補うために、あぐりでは赤外線サーモグラフィーカメラを使うことがあります。ただし、これは床材の強度や腐食の有無を判定する機材ではありません。

このカメラで分かるのは、目視しにくい箇所に表れている温度差です。あぐりでは、カビの発生箇所の確認や、特殊清掃の現場でも使用しています。

温度差が何を示しているかは、それだけでは分かりません。目視で確認した床の状態、雨漏りの跡、家屋の状態とあわせて考えるための材料の一つとして使っています。

床が傷んでいた場合の作業方法と費用負担

床の傷みが確認された場合、あぐりでは通常と同じ方法では搬出しません。

床の状態に応じて搬出方法や養生を変える

傷みが軽い段階であれば、床にコンパネ(合板)を敷いて荷重を分散させ、その上を通って搬出します。傷みが進んでいる場合は、通常の搬出経路そのものを使わず、経路を組み直すことがあります。和室であれば畳を外して別の経路を確保するなど、家屋の造りに応じて方法を変えています。

冷蔵庫や洗濯機のような重量物は、運び出す前に、通る場所の床の状態を確認します。搬出中の振動で床の状態が変わることもあるため、作業の途中でも見ながら進めます。

床が大きく傷んでいる場合は、通常の方法で無理に搬出しません。どの方法を取るかは床の傷み方と家屋の造りによって変わるため、現場を見ないまま決められるものではありません。

経年劣化による床の傷み

長い年月のあいだに進んだ床の傷みは、作業によって生じた損傷とは分けて考える必要があります。前者は建物にもともと生じていたものだからです。

あぐりでは、見積りの段階で床の傷みが確認された場合、その状態と、作業中に床が抜ける可能性があることをお伝えしたうえで作業に入ります。作業前に状態を共有しておくことで、あとから認識が食い違うことを避けるためです。

作業によって床を傷めた場合

作業の進め方に問題があって床を傷めてしまった場合は、経年劣化による傷みとは扱いが異なります。

ただし、どこまでがどちらに当たるかは、床の状態や作業の内容によって変わります。契約内容や損傷の原因によって扱いが異なるため、作業前に床の状態と費用負担の範囲を確認しておくことが大切です。

床以外の場所で起こりうる作業上のトラブルについては、遺品整理・特殊清掃で起こりがちなトラブルと対策で扱っています。

空き家の床は、見た目だけでは傷み具合が分かりません。ご自身で家屋に入られて床の異変に気づいた場合は、無理にその先へ進まず、その部屋から出てください。

気づかれた床の状態を見積りの際にお伝えいただけると、確認と作業方法の検討が進めやすくなります。現地に行きにくい場合は、写真があるだけでも判断の材料になります。見積りで何を見ているかは、遺品整理・特殊清掃の見積りは何を見る?時間と料金が変わる条件で説明しています。

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