遺品整理・特殊清掃の見積りは何を見る?時間と料金が変わる条件
相見積もりを取ったら、業者によって金額が倍近く違った。遺品整理や特殊清掃では珍しくない話です。
金額差そのものは、必ずしもおかしなことではありません。見積りは業者の見立てで上下しますし、積算の方法も一つではないからです。問題は、その差がどこから出ているのかを説明できる見積りかどうかです。この記事では、見積りで実際に何を見ているのか、その時間は何によって変わるのか、そして料金が変わる条件を、広島で施工しているあぐりの現場からご説明します。
見積りで確認する内容と、時間が変わる条件
あぐりの見積りでは、搬出経路の確認、家財の量と内容の確認、汚れや損耗の確認、そしてご依頼者へのヒアリングを行います。物量が多い場合や、貴金属などの査定が必要な場合は、その分お時間をいただきます。
ただ、時間の長短そのものが良し悪しを決めるわけではありません。短くても、何をどう見て金額を出したのかを説明できる見積りであれば問題ありません。逆に、時間をかけていても積算の根拠が示されなければ、あとで追加費用の話になりやすくなります。
見積りは、現地に着く前から始まっている
搬出経路と道幅
お伺いする前に、地図で周辺の道路状況を確認します。作業車両が安全に進入・駐車できるか、搬出に支障がないか。車両が入れないエリアでは、手運びの計画を立てる必要があり、これは人数と時間に直結します。
駐車スペース
近隣のコインパーキングの位置や、作業時に停められる場所を検討します。
共同住宅の共用部と養生
マンションやアパートでは、エレベーターや廊下といった共用部を保護する養生が必要になります。分譲マンションでは、エレベーター内を含む共用部の養生と、作業日の掲示が求められることが多くあります。
そのため見積り時には、エレベーターのドア幅や床面積を測り、必要な養生シートの量と範囲を出します。あわせて、養生テープで塗装が剥がれるおそれがないか、築年数の経った建物では塗装の状態も確認します。
広島市内の分譲マンションで、こんなことがありました。生前整理の相見積もりで、他社の見積りにはあぐりより養生費用ぶんほど安い金額が提示されていたそうです。ご依頼者はその業者に決められたのですが、あとから養生をお願いしたところ、対応できないという返事だったとのことでした。
養生の要否と範囲は、建物の管理規約に加えて、管理会社や管理組合からの指示、そして搬出する家財の内容によって決まります。大型の家具や長尺のものを運ぶ場合は、通路や壁の保護範囲も広くなります。見積書に養生の項目があるかどうかは、その業者が共同住宅の条件を踏まえて金額を出しているかの目安になります。
室内で見ているもの
家財の量と種類
お部屋ごとに家財を確認し、作業量と処分・リサイクルの費用を算出します。
費用が上がりやすい品目
| 確認する品目 | 費用への影響 |
|---|---|
| 家電製品 | 家電リサイクル法の対象 4 品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)に当たるか、買取対象になるかによって費用が変わります。家電リサイクル法の対象となる家電には、リサイクル料金が必要です |
| 金庫 | 特に耐火金庫は分解処理が必要になり、処分費が高くなります |
| ピアノ | 搬出に人数と機材を要します |
| 取り扱いに確認が必要な品 | 注射針など安全上または法令上の確認が必要なもの、登録証のない刀剣類など。処分の前に手続きや確認が必要になります |
| ノーブランドの家具 | 再販が難しく、処分費として計上されます |
買取の対象になるもの
価値のある品が含まれている場合は、その場で査定します。貴金属は純度と重量、家電は製造年と状態を確認します。あぐりの査定では、電化製品はおおむね製造から 5 年以内のものを買取の目安としています。これはあぐりの基準であり、業者や品目によって扱いは異なります。
美術品や骨董品など専門的な知識が必要なものは、外部の専門業者と連携して改めて鑑定を依頼します。あぐりでは、ご遺族や所有者が直接専門店へ持ち込まれた場合の想定額と、あぐりで買い取れる金額の両方をお伝えするようにしています。
汚れと損耗
床材の状態、水回りの汚れ(便器の尿石など)、カビの発生状況を確認します。賃貸の解約や不動産の売却が目的であれば、通常のハウスクリーニングでは対応できないカビの除去や、レストレーション(原状回復清掃)の費用も含めてご提案します。
料金が変わる条件
見積り金額は、おおむね次の項目を積み上げて出しています。金額差が出るとしたら、このどこかが違っています。
| 項目 | 変動する要因 |
|---|---|
| 家財の処分費 | 量の測り方が業者によって異なります。立米数(体積)で計算する方法と、重量で計算する方法があります |
| リサイクル料金 | 対象となる家電の台数 |
| 養生費 | 共同住宅か戸建てか。共用部の範囲と、管理規約の要求 |
| 車両費・燃料費 | 現場までの距離、車両の台数とサイズ、搬出経路 |
| 人件費 | 作業人数と日数。搬出経路の条件で必要人数が変わります |
| 専門的な処理 | 特殊清掃、カビ除去、消臭、法令上の手続きが必要な品目 |
| 原状回復 | 床材の撤去、クロスの張替えなど。特殊清掃の現場では別途発生します |
| 供養 | 仏壇や人形などの供養。宗派と寺院によって変わるため、別途のご案内になります |
人件費については、事業形態による違いもあります。法人は従業員の社会保険料が発生するため、その分が人件費に含まれます。一方で、遺品整理や特殊清掃は事前の教育と経験が必要な作業でもあり、金額の安さだけで比べにくい部分です。
紹介で業者を知った場合も、確認することは同じです
遺品整理では、介護用品のリース会社、葬儀社、住宅の管理会社、士業の方など、さまざまなところから業者を紹介されることがあります。すでに取引のある相手からの紹介は、それ自体が安心材料になります。
ただし、紹介であるかどうかと、見積りの内容が自分に合っているかどうかは別の話です。紹介で知った業者であっても、直接問い合わせた業者であっても、確認することは変わりません。
- 作業範囲が見積書に書かれているか
- 積算の根拠を説明してもらえるか(何を、どう数えて、その金額になったのか)
- 追加費用が発生する条件が示されているか
金額に差があること自体は珍しくありません。前の項で挙げたとおり、処分費の数え方、養生の要否、必要な人数と日数によって金額は動きます。差の理由を説明してもらえるかどうかが、比べるときの手がかりになります。
依頼する前に確認しておきたいこと
ご依頼者の側で確認しておくと、あとで揉めにくくなる項目です。
- 見積書がその場で出るか。あぐりは相見積もりでも単独の見積りでも、提示する金額を変えていません
- 作業範囲が文章になっているか。「一式」だけでは、どこまで含まれるかが分かりません
- 追加費用が発生する条件が書かれているか
- やり取りの記録が残るか。口頭だけの取り決めは、あとで食い違いが起きやすくなります。LINE やメールでのやり取りを残し、必要ならスクリーンショットで保管しておくことをお勧めします
- 養生や共用部の扱いが見積りに含まれているか(共同住宅の場合)
- 仏壇や人形の供養をどう扱うか。あぐりでは各宗派に沿った現地供養をご案内しています。立ち会えない場合は、動画や画像でご報告します
契約書とクーリング・オフについては見積りで失敗しない!契約書とクーリングオフの重要性でも触れています。
特殊清掃の見積りで見落とされやすいこと
原状回復の費用は別に発生します
賃貸物件での特殊清掃では、清掃の費用とは別に原状回復の費用が発生します。床材の撤去やクロスの張替えが必要になる現場では、原状回復の費用が大きくなる場合があります。この見通しが見積りの段階で共有されていないと、あとから負担に困ることになります。特殊清掃の見積りを受けるときは、清掃後にどこまでの復旧工事が想定されるかもあわせて確認してください。
工程に「経過観察期間」があるか
特殊清掃は、片付けや清掃と違って一度で完了する作業ではありません。臭気を除去したあと、臭いが戻っていないかを確認する期間が必要です。この経過観察が工程に入っているかどうかは、見積書を比べるときの分かりやすい目安になります。期間の考え方は特殊清掃にかかる期間はどれくらい?をご覧ください。
保険を使う場合は、対象範囲と限度額を先に確認する
賃貸住宅では孤独死に対応した保険がありますが、内容は一つではありません。原状回復の費用だけが対象のもの、家財の搬出だけが対象のもの、両方が対象のものがあり、いずれも限度額が設定されています。「保険が使えるなら」と金額を確認しないまま進めると、限度額を超えた分が自己負担になります。契約している保険の対象範囲と限度額は、施工に入る前に確認してください。
なお、賃貸物件では、経年変化や通常の使用による損耗(通常損耗)は、原則として貸主の負担とされています。原状回復は、借りた当時の状態へ完全に戻すことではありません。ただし、故意・過失による損傷や、契約の内容によって負担範囲は異なります。実際にどこまでを負担するかは、賃貸借契約書をご確認ください。
よくあるご質問
見積りは無料ですか
無料です。ご相談・お見積りともに費用はいただいていません。
見積りの前に片付けておいたほうがいいですか
必要ありません。むしろ、そのままの状態を見せていただいたほうが正確な金額を出せます。処分するつもりのものと残したいものが分かれている場合は、当日お伝えいただければ仕分けに反映します。
立ち会えないのですが、見積りは可能ですか
遠方にお住まいの方からのご依頼事例もあります。見積りは現地の確認を前提にお出ししており、電話やメールで事前の打ち合わせを重ねたケースもあります。立ち会いが難しい場合は、見積りの方法と連絡の方法を、あらかじめご確認ください。
相見積もりを取ってもいいですか
問題ありません。あぐりは相見積もりでも単独の見積りでも、提示する金額を変えていません。比べるときは、金額だけでなく作業範囲と積算の根拠が書かれているかをご覧ください。
料金の目安はどこで見られますか
遺品整理の間取り別の目安はご利用料金に掲載しています。特殊清掃とレストレーションは現場ごとの差が大きいため、一律の目安は掲載していません。特殊清掃の費用の考え方はお客様からよく尋ねられる特殊清掃の費用についてもご覧ください。
広島で見積りを取るときは
あぐりは広島市内を拠点に、県内および近県で遺品整理・生前整理・空き家整理・特殊清掃を行っています。対応できるかどうかは、物件の所在地と作業内容をうかがったうえでご案内します。
見積りの段階で、必要な作業と必要でない作業を分けてご説明します。金額の根拠についても、その場でお尋ねください。ご相談・お見積りは無料です。
お電話(0120-911-770)またはお問い合わせフォームからご連絡ください。ご依頼から作業完了までの流れはご利用の流れに掲載しています。
