遺品整理・特殊清掃で起こりがちなトラブルと対策
遺品整理や特殊清掃、空き家整理の作業では、家財を運び出す過程で建物に傷がついたり、貴重品の所在が分からなくなったり、臭気が近隣へ広がったりすることがあります。作業を始めてから分かることも多く、あとになって認識が食い違う原因にもなります。
この記事では、あぐりが現場で行っている予防と確認、損傷が起きた場合の考え方を、ご依頼される方が作業の前と後に確認できることとあわせて整理します。
作業中に起こりうる建物・共有部の損傷
床の傷みは搬出の途中で分かることがある
空き家では、家財に隠れて床の傷み具合が分かりにくく、見た目に異常がなくても搬出の途中で床が抜けることがあります。床が傷む原因、作業前の確認方法、費用負担の考え方は、空き家整理で要注意!床の腐食リスクとプロが行う対策で扱っています。
共有部や売却予定の物件で気をつけること
共同住宅では、エレベーターや通路、手すりといった共有部を通って家財を運び出します。養生テープを貼った箇所は、剥がすときに塗装がいっしょに剥がれてしまうことがあります。
あぐりでは、共有部にも養生を行い、作業後に通った経路の清掃をしています。搬出の経路や養生の方法は、建物の造りと家財の量によって変えています。
売却を予定している物件や、築年数の浅い物件では、小さな傷でも問題になることがあります。こうした事情がある場合は、見積りの段階でお伝えいただけると、搬出の方法を組み立てるときの材料になります。
作業の前と後に、建物の状態を確認する
建物の傷みは、作業前からあったものか、作業中に生じたものかが、あとになると分かりにくくなります。
あぐりでは、可能であれば作業の完了時に、室内と搬出経路の状態をご依頼者と一緒に確認しています。作業前に気になる箇所があれば、その時点でお伝えいただけると、完了時の確認がしやすくなります。
業者を問わず、作業の完了時に一緒に室内や搬出経路を見ておくと、作業前からあった傷みと、作業中に生じた損傷について、その場で認識を合わせられます。あとから状況を確認する必要が生じた場合でも、当時の状態を共有しやすくなります。
遺品・貴重品の紛失を防ぐための確認
貴重品の確認は作業の工程に含まれる
遺品整理では、家財に紛れて通帳や貴金属が出てくることがあります。まとまった額の現金が見つかることも珍しくありません。
あぐりでは、貴重品の確認を作業の工程の一つとして扱っています。可能であれば、見積りの段階か作業の初日に、ご依頼者に立ち合っていただいたうえで確認しています。費用の扱いは現場の状況によって変わるため、見積りの際にご確認ください。
探してほしいものや、処分せずに残したいものがある場合は、作業が始まる前にお伝えください。品名だけでなく、置かれていた場所の見当がつくと、探す手がかりになります。写真やリストで共有していただく方法もあります。見積りで何を見ているかは、遺品整理・特殊清掃の見積りは何を見る?時間と料金が変わる条件で説明しています。
立ち合いが難しい場合の扱い
遠方にお住まいの場合など、立ち合いが難しいこともあります。その場合は、貴重品が見つかったときの保管方法と報告の手順を、作業前に決めておくことになります。
立ち合いがないまま作業が進むと、見つかったものをその場でお渡しできず、保管の期間が生じます。手順を先に決めておくと、この期間の扱いがはっきりします。
特殊清掃で起こりうる近隣への影響
臭気を外へ広げないための対応
特殊清掃の現場では、作業中に臭気が屋外へ漏れることがあります。近隣の方から寄せられる声で多いのは、洗濯物に臭いがついたというものです。搬出のときに、ハエなどの害虫が室外へ出てしまうこともあります。
あぐりでは、こうした影響を抑えるため、作業中に窓や扉を開け放たないことがあります。どこまでの対応を取るかは、現場の状態や季節、建物の造りによって変わります。
共同住宅では搬出の経路が変わることがある
エレベーターは密閉された空間のため、臭気の強い家財を運ぶと、臭いが残ることがあります。他の入居者の方が日常的に使う場所でもあります。
そのため、高層階の作業でも、エレベーターを使わずに非常階段から人力で運び出すことがあります。どの経路を使うかは、建物の造りと家財の量、臭気の程度によって決めています。
作業の前に近隣へ挨拶をすることがある
近隣との関係は、作業が始まる前から続いているものです。故人の代から続いていた行き違いが、遺品整理をきっかけに表に出てくることもあります。
あぐりでは、ご遺族や相続される方と一緒に、近隣へ挨拶に伺うことがあります。作業の期間と時間帯を先にお伝えしておくと、作業が始まってからのやり取りが落ち着いたものになりやすいと感じています。
損傷が起きた場合の考え方と賠償への備え
経年劣化と作業による損傷を分けて考える
建物に生じている傷みには、長い年月のあいだに進んだものと、作業によって生じたものがあります。前者は建物にもともとあったもので、後者とは分けて考える必要があります。
ただし、どこまでがどちらに当たるかは、建物の状態と作業の内容によって変わります。境目がはっきりしない場合もあるため、作業前に状態を共有しておくことが、あとからの行き違いを避ける材料になります。
保険や対応の範囲は作業前に確認できる
あぐりは賠償責任保険に加入しています。補償の範囲や上限は契約の内容によって異なるため、見積りの際にご確認いただけます。
作業によって損傷が生じた場合にどう対応するかは、損傷の原因と内容によって変わります。どのような手順で進めるかも、作業前に確認しておける事項です。
依頼する前に確認しておきたいことや、契約の際に見ておく項目は、遺品整理・特殊清掃のトラブルを防ぐためにで整理しています。
ここまで挙げた確認は、どれも作業が始まる前と終わるときに済ませられるものです。
- 残したいものや探してほしいものを、作業前に伝えておく
- 搬出経路と、すでにある傷みを、作業前に一緒に確認しておく
- 可能であれば、作業の完了時に室内と搬出経路の状態を一緒に確認する
- 賠償責任保険への加入と、損傷が生じた場合の対応の範囲を、見積りの際に聞いておく
この四つがそろっていると、作業中に何かが起きたときにも、状況の共有から対応までが進めやすくなります。気になる点は、見積りの際にお尋ねください。