孤独死・特殊清掃の初期対応と業者選定
ご家族が孤独死された場合、ご遺族は突然の事態に動揺し、「どうすればいいのか」「何から手をつけるべきか」と混乱されるのは当然です。特に、現場の臭気や近隣への対応が大きなストレスとなることがあります。
ここでは、特殊清掃が必要な状況に直面した際の適切な初期対応と、後悔しないための業者選定のポイントを解説します。
1.まずは落ち着いて「故人を弔うこと」を優先
孤独死の現場では、多くの場合、警察による現場検証(事件性の有無の確認)がまず行われます。この間、ご遺族であっても室内に立ち入ることはできません。
・焦らない: 特殊清掃や遺品整理は、警察の許可が出た後でなければ着手できません。
許可が下りるまでの間は、無理に近隣対策や清掃業者選定を急ぐ必要はありません。
・葬儀の準備を優先: 許可待ちの時間は、故人様を弔うための葬儀の形式や準備について、
ご家族で話し合うことに時間を使いましょう。故人様を偲ぶことが、この段階で最も重要なことです。
2.警察の入室許可が出た後の対応
警察の検証が終わり、入室許可が出たら、次のステップに進みます。
遺品捜索を誰が行うか?
現金や貴重品などの捜索を誰が行うかを検討します。ご遺族が自ら行うか、業者に依頼するか、冷静に判断しましょう。
・リスクへの配慮: 現場には体液の付着箇所が残っている可能性があり、不用意に触れたり踏んだりすると、
汚染を広げてしまうリスクがあります。不用意な入室は避けるのが賢明です。
・トラウマの予防: 現場の状況によっては、精神的なショック(トラウマ)を引き起こす可能性もあります。
無理せず、専門業者に任せることも視野に入れましょう。
業者に見積もりを依頼する際の立ち会い
業者に見積もりを依頼する場合、鍵を渡してすべてを任せてしまうのは避けた方が良いでしょう。
できれば、現地で立ち会い、業者の入室・退出時に状況の説明を受けることをおすすめします。信頼できる業者であれば、適切な知識に基づいた現場の見立てと、それに対する根拠ある施工説明ができるはずです。
3. 特殊清掃業者を選定する際の最重要ポイント
特殊清掃業者を選ぶ上で、最も大切なのは「臭いを根本的に除去できるか」という点です。
知識と経験の確認
経験豊富なプロの業者であれば、体液の浸透度などを正確に見極め、なぜその施工が必要なのかを明確に説明できます。
逆に、お客様が納得できる説明ができない業者は、知識や経験値が不足していると判断する一つの基準になります。
施工内容を比較する
特殊清掃の施工方法は業者によって大きく異なります。
・注意が必要な例: 「表面を拭き取るだけ」「オゾン燻蒸のみを行う」など、物理的に臭いを根本除去できない施工方法を
「特殊清掃」と称する業者には注意が必要です。
・費用対効果の検討: 安価な施工でも、臭いが除去できなければ、結局は再施工が必要になり、
最終的なコストパフォーマンスは低くなります。
お客様が特殊清掃に求めるゴールは「完全な消臭」にあるはずです。目先の費用だけでなく、臭気除去の確実性と施工の質を判断基準として業者を選定しましょう。