遺品整理・特殊清掃で失敗しない!賃貸退去時に確認すべき重要ポイント
遺品整理や特殊清掃が必要な場合、賃貸物件からの退去手続きは特に複雑になりがちです。
故人の契約状況や物件の状態によって、原状回復の費用が大きく変わる可能性があるからです。
ここでは、賃貸物件をスムーズに退去するために知っておくべき、契約の重要性と費用に関するポイントを解説します。
1. 賃貸借契約書の重要性
退去時の手続きや費用の負担は、すべて賃貸借契約書に明記された内容に基づいて決定されます。
契約書は必ず確認する
遺品整理や特殊清掃を始める際、賃貸借契約書がすぐに見つからないケースも多いですが、まずは探す努力をしましょう。契約書には、以下のような退去時のルールや特約が詳細に定められています。
・原状回復の範囲(借主が負担する清掃や修繕の範囲)
・付属設備(エアコン、物置、駐車場など)の扱いや費用負担
・敷金の精算方法
もし契約書が見つからない場合は、不動産管理会社や大家さんに問い合わせて、コピーをもらうようにしましょう。
契約時期によるルールの変化
国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、賃貸契約に関する基準を定めています。
2020年4月以降に締結された契約では、通常の使用による損耗(例:ハウスクリーニング代、畳や襖の張り替え費用など)は原則として家賃に含まれる、つまり貸主(大家さん)側の負担となることが明確化されています。
しかし、入居時よりも前の契約については、契約書に記載された特約が優先されます。たとえ契約が自動更新されていても、入居当初の契約内容が退去時に適用されると考えるのが一般的です。
2. 設備とサービス品の区別が費用を左右する
賃貸物件には、あらかじめ設置されている「設備備品」と、前の入居者が残していった「サービス品」があります。この区別が、遺品整理時の費用に大きく影響します。
・設備備品: 賃貸物件の備え付けとして契約に含まれているもので、勝手に撤去すると
弁償の義務が発生する可能性があります。(例:大家さん側が設置したエアコン、給湯器など)
・サービス品: 前の入居者が残したもので、契約上は貸主が管理責任を負わないものです。
遺品整理で撤去しても弁償の義務は基本的に発生しません。(例:前の入居者が残したエアコンなど)
特殊清掃が必要な現場では、臭気対策やカビ対策のためにエアコンの撤去が必要になることが多いため、事前にどちらに該当するかを管理会社に確認しておくことが重要です。
3. トラブルを避けるための対応策
退去時のトラブルや不当な費用請求を避けるためには、以下の行動を心がけましょう。
・管理会社への相談: 遺品整理や特殊清掃が必要になった時点で、すぐに管理会社や大家さんに状況を伝え、
今後の手続きや原状回復の範囲について相談しましょう。
・専門業者との連携: 信頼できる遺品整理・特殊清掃業者は、契約内容や物件の状態を考慮した上で、
適切な作業範囲を提案し、管理会社との連携をサポートしてくれます。
契約書の内容を正しく理解し、専門家と連携することで、予期せぬトラブルや費用負担を最小限に抑えることができます。