特殊清掃の闇を徹底解説!資格・外注・追加料金トラブルから身を守る方法
特殊清掃と消臭の現状
先日、広島県呉市の共同住宅管理会社の方から、孤独死の増加に伴い、特殊清掃後も臭いが残ってしまう物件に悩まされているという話を伺いました。中には、1年以上手が付けられない状態の物件もあるとのことです。消臭に関する民間資格を持つ業者に依頼しても、完全には臭いが除去できないケースがあるようです。
特殊清掃や消臭に関する民間資格はありますが、資格の有無だけでは現場での対応力まで分かりません。依頼前に確認できるのは、その資格が何を確かめるものか、作業を自社で行うか外部に委託するか、見積もりを何にもとづいて出しているか、追加料金はどんなときに発生するか、の四つです。
特殊清掃に関する民間資格について
特殊清掃の民間資格は、複数の団体が発行しています。弊社が内容を確認した範囲では、審査はテキストによるレポートの提出で行われ、扱う内容も感染症対策など衛生管理に関するものが中心でした。知識を確かめる仕組みであり、実技の力量まで見るものではありません。
特殊清掃は、故人の状況、室内の環境、季節などによって施工方法が大きく異なります。そのため、画一的なマニュアルで対応できるものではありません。資格があることは知識を学んだ証にはなりますが、それだけで現場の対応力までは判断できません。依頼先を選ぶときは、資格の名称ではなく、現場をどう見立ててどの工程を組むのかを聞いておくと、判断の材料になります。
兼業での特殊清掃について
弊社が把握している範囲では、リサイクル業者や解体業者、一般廃棄物収集運搬業者などが特殊清掃を兼業で扱い、実際の作業を外部へ委託していることがあります。
外部委託の問題点
自社での施工や適切な見積もりができないために外部委託する場合、いくつかの問題が発生する可能性があります。
- 費用と効果の不一致:提示された料金が安価でも、臭気除去が不十分な場合があります。
- 追加費用の発生:最初に提示された費用以外に、追加料金が発生することがあります。臭気が除去できないために再施工が必要となり、結果として費用がかさむ悪循環に陥るケースも見られます。
- 対応の不備:臭気除去の方法が分からず、適切な処置をせずに放置されるケースも少なくありません。
表面的な清掃だけで高額な料金が請求される事例もあります。体液を拭き取るだけの作業を「特殊清掃」と称し、床下に浸潤した汚染が残ったままになるといった内容です。弊社が見てきた範囲でも、臭気源を拭き取るだけ、あるいはオゾン燻蒸を一度かけるだけで施工を終えている例がありました。実際の消臭作業がどの順序で進むかは、特殊清掃の消臭作業とは?手順と注意点を徹底解説で工程ごとに説明しています。
家財の搬出方法も確認が必要です。消臭を目的とした搬出では、臭気や体液の拡散を防ぐための配慮が欠かせません。汚染源となる家財は、適切に処理してから搬出します。
特殊清掃が兼業で困難な理由
弊社には、他の業者の方々から特殊清掃の技術指導を求められることがあります。不用品回収業者や便利屋など、様々な業種の方がいらっしゃいます。
業界全体の発展のため、真摯に学ぼうとする方には消臭方法をお伝えしたいと考えています。ただし、特殊清掃は状況によって施工方法が変化するため、基本的な知識を踏まえずに一つのやり方を当てはめても、現場ごとの状態には対応できません。技術指導の場でも、仕上がりだけに関心が向き、現場ごとに手順を変える理由が伝わりにくいと感じることがあります。
不十分な特殊清掃を避けるために
信頼できる業者を選ぶために、依頼前に確認しておきたい点を挙げます。
- 外部委託の有無:特殊清掃や消臭作業を自社で行っているか、外部に委託しているか。
- 見積もり方法:目視だけでなく、詳細な調査に基づいた見積もりが行われているか。目視のみでは、汚染の全容を把握することは困難です。体液は床や畳の表面にとどまらず床板やその下まで浸潤していることがあり、そこまで見立てないと作業範囲が後から増えます。現地見積もりで何を確認しているかは、遺品整理や特殊清掃の見積りの内容は、時間はどのくらい?で説明しています。
- 経過観察の有無:施工後に臭い戻りがないかを見る期間を、工程に入れているか。実際にどれくらいの日数がかかるかは、特殊清掃にかかる期間はどれくらい?日数と構造別の作業時間をプロが解説で構造別に説明しています。
- 料金体系:「オゾン燻蒸1回いくら」といった単発的な料金設定になっていないか。弊社の施工では、オゾン燻蒸は臭気源の洗浄や部分解体を終えたあとに行う最後の工程で、これだけを単独でかけても臭気源は残ります。
- 完了の基準と臭い戻りへの対応:どうなった時点で作業完了とするのか、その基準が示されているか。臭い戻りが起きた場合の対応も、あわせて確認できます。
- 追加料金の条件:追加料金がどんなときに発生するのか、その条件と説明の手順が書面にあるか。
これらを確認して依頼先を決めることで、不完全な消臭による「やり直し施工」のリスクを減らせます。答えられる範囲は業者によって違うため、確認したときに何と答えるかも判断の材料になります。