【続報】悪質な高額請求と“緩和消臭”の真実
~高齢夫婦が恐怖を感じた特殊清掃業者の実態~
以前のブログで取り上げた、【特殊清掃の実態】不完全な施工と不当請求にご注意を
に関して、新たなご相談を受けました。今回はその続編として、実際に起きた出来事を踏まえながら、特殊清掃における“緩和消臭”という手法の問題点と、
私たちの見解についてお伝えします。
高齢夫婦が“恐怖”を感じた請求トラブル
相談をくださったのは、孤独死が発生した物件の遺族の方です。依頼を受けた不動産業者と提携している清掃業者が、家の前まで押しかけ、大声で高齢のご夫婦に支払いを迫ったというのです。
高齢の女性は「怖かった」と話しており、これは業務以前の“人としての対応”に問題があると感じざるを得ません。
さらに驚くべきは、業者が主張していた施工内容が「応急処置としての緩和消臭」だったという点です。
「緩和消臭」とは何か?
緩和消臭とは、恒久的な消臭ではなく、一時的に臭気を抑えるための応急処置的施工を指します。業者によっては「なごみ消臭」などの名称を使っているケースもあります。
一般的には、
・臭気源(布団など)を撤去
・消臭剤の噴霧
・オゾン燻蒸
などを組み合わせた方法が取られます。
東京・大阪などでもこの手法は広く用いられており、相場は8万円~10万円前後が一般的です。それにも関わらず、今回の業者は 16万5千円 を請求しており、金額の妥当性には大きな疑問が残ります。
オゾン燻蒸の“本当の効果”と危険性
オゾン燻蒸は、オゾンの酸化作用により一時的に空間の臭気を抑える施工方法ですが、「実際には効果がない」と話す業者も存在します。私自身もその意見には同意します。
オゾンは塩素に似た強い刺激臭があり、施工後は腐敗臭が消えたように錯覚するかもしれませんが、実際には“臭いの上塗り”に過ぎません。また、オゾンには呼吸器障害や肺水腫などのリスクがあり、人体への影響も懸念されるため、弊社では使用しておりません。
弊社が考える「安全な緩和消臭」
弊社では、以下のような方法で臭気を緩和しています:
・臭気源の確実な撤去と消毒
・状況に応じて自然換気を活用
・必要に応じて特殊洗剤を使って拭き取り
・床材の撤去・下地部分の洗浄と特殊加工
これらの工程により、人体への影響を与えることなく、安全かつ持続的に臭気を軽減することが可能です。
不明瞭な明細と過剰請求の可能性
ご相談者様から提供された明細内容は以下の通りです:
・臭気源を袋に入れて3袋:30,000円
・クッションフロア2㎡剥がし:60,000円
・消毒・オゾン燻蒸等:60,000円
驚くべきは、袋詰めされた臭気源が室内に放置されていたという点。施工の意味が全くありません。
見積書・契約書の重要性
この件では、作業前の見積提示や契約書の取り交わしもなく、施工が進められたと聞いています。これは契約不成立の可能性も含む問題であり、法的な見解が必要な場面です。
契約社会において、書面の有無は非常に重要です。「言った・言わない」のトラブルを避けるためにも、施工前には必ず明細書や説明書面を確認しましょう。
孤独死に直面したときの心構え
孤独死は、ご遺族にとって精神的な衝撃が大きく、冷静に判断するのが難しい場面です。また、近隣住民やオーナーからは早急な対応を求められることも多くあります。
しかし、焦って即断することがさらなるトラブルを招く要因にもなります。
まずは一度冷静になり、
・施工内容
・金額の根拠
をしっかり確認したうえで、対応を決めることを強くおすすめします。
最後に:業界の健全化のために
今回のようなトラブルが続けば、特殊清掃業界全体への信頼が損なわれます。だからこそ、私たち専門業者は、透明性をもったサービス提供と丁寧な説明責任を果たす必要があります。
広島県内外を問わず、お困りの方がいらっしゃれば、弊社ではいつでもご相談をお受けしています。不安なときこそ、信頼できる専門家に一度ご相談ください。