遺品整理・特殊清掃で起こりがちなトラブルと対策
遺品整理、生前整理、特殊清掃といった作業は、デリケートな状況下で行われるため、さまざまな予期せぬリスクやトラブルが発生する可能性があります。この記事では、現場で起こりがちな具体的なトラブル事例と、信頼できる専門業者がどのような対策と補償体制を講じているかについて解説します。
1. 建物構造に関するリスクと補償
床の腐食(床抜け)について
空き家整理などで床の腐食が見つかることがあります。これは主にシロアリ被害や雨漏り、経年劣化など、建物の構造的な問題に起因します。
・業者の補償責任: 経年劣化による腐食が原因で作業中に床が抜けた場合、
原則として業者が全額を補償することはありません。これは、業者の過失
ではなく、建物の元々の不具合だからです。
・プロの判断基準: スキルの高い業者は、見積もり段階で床の沈み込みや歪みを
チェックし、腐食のリスクを事前に予測してご依頼者に説明します。その上で、
作業員の安全と建物の保護のため、合板(コンパネ)などを使った慎重な養生
を行ってから作業に入ります。
共有部・売却物件の損傷リスク
賃貸物件の退去や売却物件の整理では、搬出時に建物に傷をつけないよう細心の注意が必要です。
・共有部の損傷: マンションなどの共有部(エレベーター、通路の手すりなど)は、
養生テープを剥がす際に塗装が剥がれるなどのリスクがあります。業者の過失に
よって共有部に損害を与えた場合は、業者の責任において修繕費用を負担し、
ご依頼者に迷惑がかからないように対応します。
・売却物件での注意: 築年数の浅い物件や、資産価値を重視する物件では、
小さな傷一つが商品価値を下げてしまいます。専門業者は、資産価値を
守るため、慎重な搬出と、必要に応じて原状回復清掃(レストレーション)
を行います。
2. 遺品・貴重品に関するリスク
窃盗・紛失の防止
遺品整理の現場では、貴重品の無断持ち出しや紛失といった犯罪行為が稀に発生しています。これは窃盗や遺失物横領といった刑事事件に該当し、業者の信用を失墜させる重大な問題です。
信頼できる業者は、従業員に対する徹底した教育と管理を行い、貴重品の取り扱い手順を厳格化しています。
生前整理における「心変わり」のリスク
生前整理では、「処分する」と決めた品物でも、作業中や作業後に「やはり手元に戻したい」とご依頼者の気持ちが揺らぐことがあります。
・「想いの整理」への配慮: 生前整理は、単なる断捨離ではなく、ご依頼者様の
「想いの整理」です。業者は一つ一つの品物について確認を取りながら搬出を
進め、処分品と保管品を明確にマーキングし、専用の箱で一時保管するなど
の対策を講じます。
・処分後の補償: 一度一般廃棄物として回収された品物は、原則として
取り戻すことも補償することもできません。そのため、専門業者はお客様
の納得を最優先し、トラブルを未然に防ぎます。
3. 特殊清掃と近隣トラブルのリスク
特殊清掃(孤独死現場など)の作業中は、特に近隣への配慮が必要です。
・臭気・害虫の拡散: 腐敗臭や、現場から発生したハエなどの害虫が搬出時に
室外に漏れ出し、近隣住民から苦情が入ることがあります。これは業者の
過失ではなく、現場の状況に起因することがほとんどです。
・プロの対応: 臭気や害虫のクレームが発生した場合、最も重要なのは
誠実な対応です。業者は、ご依頼者に代わって近隣住民の方に
心から謝罪し、作業期間や対策について正直に説明することで、
理解を求める努力をします。
また、高層階の作業では、臭気がエレベーター内に残ることを避けるため、非常階段を利用した人力搬出を行うなど、近隣への影響を最小限に抑える対策を徹底します。
4. 損害賠償と保険体制
信頼できる専門業者は、万が一の事故に備えて損害賠償責任保険に加入しています。
・保険適用範囲: 多くの損害保険は、「偶発的かつ突発的な事故」による
損害を対象としています。
・業者の監督責任: たとえ従業員が窃盗や遺失物横領などの犯罪行為を
行った場合であっても、業者は使用者責任を負い、ご依頼者(被害者)
に対して賠償責任を負うことになります。
業者を選定する際は、単に保険に加入しているかだけでなく、過去のトラブル対応や補償体制について明確な説明があるかを確認し、安心して任せられるかを見極めましょう。